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無畏(むい)のこころ・邪(よこし)まなこころ―観世音菩薩とは?

Main_photo_hondou011 浅草の観音さまと愛称で呼ばれている『浅草寺聖観音菩薩』は秘仏とされている。ただ年に一度、12月13日の午後2時に前立の本尊が御開扉となる。まだ一度も観ていないので、前立ての観音さまを今度拝観するつもりだ。参拝の際には合掌して『南無観世音菩薩』を唱えることとなっている。また本堂内に『施無畏(せむい)の額』が掛けてあるという。それも確かめる。 

 松原泰道著書の『観音のこころ』では『施無畏(せむい)』のことを畏(おそ)Photo_5るること無きを施すといい、意訳すると『怖がらなくてもいい』という安心感を与える自覚のことだと記述し、そのため多くの観音堂には『施無畏(せむい)』の額が掛けられてあると指摘している。

 宮沢賢治のあの有名な『雨ニモマケズ』の中の一節に『南ニ死ニサウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイイトイヒ』を思い浮かべた。この一節は観音経から出ていたのだ。宮沢賢治記念館に以前訪ねたが、『石灰の効用を広めた』ことを知ったが、観音経を信仰していたとは気が付かなかった。

 我が家の飼っていた猫が最後の時を迎えた時、妻は猫の体をさすりながら『怖がらなくてもいいよ』と言い続けていたな。

 
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 前述の松原泰道の『観音のこころ』で観音経の中の『無畏(むい)のこころ』を以下のように訳してる。

≪観音菩薩は、生死病死の苦悩をはじめ、御身らが遭遇する身心の内外から生ずる畏れに対し『畏れずに行け』と、安らぎと励ましの慈愛と勇気をめざましめる。この菩薩は、しかし、御身らに、自然や人為の災難でたちどころに失しなわれるような、かりそめの幸福や事物や恵みを与えはしないであろう。しかし、御身らが抱く多くの恐怖のおもいに対し、たえず無畏(むい)のこころを施すであろう。無畏のこころを象徴したのが、礼拝の対象となる仏像仏画の観世音菩薩である。象徴や表象でない本質としての観世音菩薩は人々の身心の奥に埋められている純粋な人間性そのものである。≫

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 今から20年以上前、仕事で決算処理方法がうまくいかず苦しんだ時があった。正月返上でやったがどうにもたちいかなくなってしまっていた。1月15日の明け方、妻と公園に行き、ブランコに乗った。ブランコを揺らしながら、『そうだ、素直になろう。素直に向き合って決算処理をしよう』と思った。『邪(よこしま)なこころ、誤魔化そうとする考えがあるから駄目なんだ』とその時、気が付いた。素直な気持ちで事案に向かい合い決算処理を行なった。その結果、誰にも迷惑をかけずに出来上がることができた。その時、観世音菩薩がわたしの心の中に現れていたのかもしれない…。と、今思えてきたのだ。

 9月10日から始まった『都賀33箇所観音霊場めぐり』は悪天候のため日延べとなり、11月3日が最後の観音霊場めぐりとなった。いくつかの観世音菩薩を簡単に記述しておき、最後の霊場めぐりに参加していくことにする。

Photo_7聖観世音菩薩》 観音さまの基本・中心で「正観音」とも呼ばれている。観音さまが阿弥陀如来の化身とする象徴から冠に阿弥陀如来の坐像がある。

《千手観音菩薩》 千本の手を持ち、その掌の一つ一つに眼があり、数珠はじめ経巻、胡瓶、宝珠、鏡、独鈷杵などを持っている。大平町清水寺の十一面千手観音さまはぶどうを持っていた。「手の平に心が宿っている。手には眼がある」と言われている。子供に熱があるかどうか、母親は手の平で子供の額に手をあてる。これが手で看るという行為なのだ。

《馬頭観世音》 漢訳すると馬頭明王(めずみょうおう)とも念怒持明王(ふんぬじみょうおう)という名前だ。その名の通り頭上に馬の頭部をいただき、猛だけしく念怒の相をしている。馬頭観音の怒りの形相は私たちの感情的な怒りと違い、自分の心中にわきあがってくる邪(よこし)まな考えを悲しみ、怒るすがたを表しているという。20年前、私の心中にあらわれた観世音菩薩はこの馬頭観音さまだったのかもしれないな。

                              《夢野銀次》

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