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地域をともに創る『協働』-栃木県の基本姿勢

6397760845_a6bc7ff8c1_z1 栃木県のNPO団体は約2000団体。その内NPO法人は530団体(全国ではNPO法人数46,000団体)ある。

 一般にNPOの活動は民間の立場で社会的なサービスを提供したり、社会問題を解決するために活動する団体を言う。具体的には地域の高齢者への食事を作って届ける(保健・医療・福祉)、子どもの虐待を防ぐ(子どもの健全育成)、地域の人々の居場所づくりを行う(まちづくり)等があげられて」いる。

 昨年11月に開催された『とちぎ県民協働フェスタ』は今年も11月13日( 火)に栃木県庁舎内で開かれる。NPOや各種団体の活動紹介を通して社会貢献活動への参加を高める場としている。

6397760967_82d93b8346_z1_2 栃木県では昨年より平成27年度にかけて「新とちぎ元気プラン」という安心・成長・環境をともにつくる計画の施策を始めている。その基本姿勢として「多様な主体が協働・創造する“とちぎ”」としている。従来の「行政のみが“公(おおやけ)”を担う」という発想から脱却し、「新たな〝公(おおやけ)”を拓く」という考えで県民、NPO、企業、行政などが連携・協力し、協働で創造することを力点としているのが特徴だ。

Ikiru41_3 都道府県の窓口担当者の目線は上から見ている。行政職員との話の底流には「公平の原則」「特定団体への利益排除」などが横たわっていることを感じてきた。「ともに街づくりをしましょう」と要望しても、行政側は「前例がない」「議員からのお話ならお聞きしましょう」と答える。「この人達、地域のことを考えているのかしら」と半分あきらめて呟いた人もいた。

 しかし、地方分権から行政サービスの見直しが始まり、さらに公共的な課題にとりくむNPOの増加により、公共の担い手が行政だけではないことが明らかになってきた。

 栃木県ではNPO・企業・行政がそれぞれの立場から課題を一緒に考え、解決にむけ目的を実現するため一緒に行動する考えを打ち出している。この基本姿勢を「協働」と位置付けている。(参考・とちぎの協働スタートブック)

Ikiru31 市職員として30年以上務めた市民課長の生きざまを描いた名作、黒澤明監督作品『生きる』(昭和27年度作品)を思い浮かべる。公園で亡くなった市民課長(志村喬)の通夜の席で語る市職員達。『忙しい、しかし俺たちは何もしてはいけないのだ。新しいことをやろうとしてはいけないのだ』と。公園作りを目指し、縦割り行政機構の垣根を一つ一つ取り払っていく市民課長の姿勢。志村喬の凄まじい演技はまさに『生きる』ことを示していた。

 石原東京都知事がある時言った。『都の職員は三(さん)ずだ。一つは休まず。二つは遅刻せず。そして三つめは仕事せずだ』。決まったことしか仕事をしない地方公務員を言い当てている。職員が多忙なのか事務が煩雑なのか分らない。しかし、私が今まで会ってきた職員の中で「住民のため新しく何かをやろう」と気概を持った人は何人いたろうか?

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 栃木県が打ち出している「協働」。住民と直に接している市町村の職員。その人たちは住民へのサービスを職務としている。「もっとこうすれば」「あの団体と相談して進めれば問題の解決につながる」。しかし、そこには「協働」とういう考えではなく、「行政に協力をしてもらうようお願いする」という上からの姿勢、思考がある。まずその思考を払拭していくことが必要だと思える。

 栃木県の提起する「協働」を進めるために行政職員、NPO、企業関連者を含めた中で、新たな公の担い手を育成していく場。それが「とちぎ県民協働フェスタ」だと思い、今年の11月13日(火)に栃木県庁に行ってみよう。

                                   《夢野銀次》

(追記)『生きる』のポスターには元市職員の小田切みきと志村喬が共にブランコに乗っているが、このシーンは映画にはない。おもちゃのウサギを見せながら『課長さんも何か作ってみたら』と若い小田切みきは言う。その時、課長は主婦達からの要望のあった公園を作る決心する。『生きる』決断をする。バックにはハッピバースデーの合唱が流れ渡る。感動のシーンだ。公園は二人によってできたことを意味しているのかナ。

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