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強風の中の流鏑馬・馬飾り―篠塚稲荷神社初午祭

Photo 最大風速21.5メートルを記録した強風の中、神馬(じんめ)が走る。三本の的をめがけて矢が放った。三回走り、二本の的を命中させた「流鏑馬」は終了した。神馬は農道をゆっくり闊歩していったのが印象的な光景だった。

 3月10日の日曜日、栃木県小山市大本の篠塚稲荷神社での「初午祭」を見に行って来た。「流鏑馬」と「飾り馬」で知られている篠塚稲荷神社初午祭のことを昨年の6月に知人から聞いた。今年は是非行ってみようと思っていた。

Photo_12 JR両毛線「思川」駅から農道を通って10分くらいの所に篠塚稲荷神社があった。ちかくには「若駒」という造り酒屋があり、立ち寄ってみた。テレビドラマ「仁」の中でロケとして撮影されたいうが、どの場面か不明だ。

 小山市観光協会の案内によれば篠塚初午祭は毎年3月の第2日曜日に行われ、村の無病息災と豊作を祈願して、五色の布や布団で美しく飾り立てた神馬が地区内を練り歩き、神社に参向する祭り。神事が終わると『飾り馬』の派手な飾りは解かれ、流鏑馬(やぶさめ)用の馬になる。3つの的に矢を放ち、その当たり具合で農作物の作況を占う。また、地域の人たちによる太々神楽が奉納され、祭りに花を添える」と紹介されている。 

 Photo_13初午祭はもともと旧暦で2月最初の午の日を初午とし、農家では稲の豊作、商家では商売繁盛を祈って稲荷さまを祭る行事となっている。また、蚕や牛・馬の祭日とする風習もあるという。江戸時代には、この日に子供が寺子屋へ入門したとも云わている(「年中行事事典」より)。

 朝9時に五色の布団で飾られ、一番上には金幣が立てられた「飾り馬」は氏子地域の大本・小薬(こぐすり)・松沼の12キロを練り歩く。3地域での米の収穫高が3000石あったという広い地域を囃子に先導された飾り馬が練り歩く。のどかな農園地方の風景だ。

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 神馬を飾り立てた布団に赤子を寝かせると健康に育つと云われている。そのため、神馬が背負っている五色の布団は子供の布団となっていることが分かった。また、子供布団を背負って歩く飾り馬を見て、間引き防止も含めて赤子への健康祈願だったのではないかと思えた。

 

Photo_18  午後から風が強く、ときおり突風が突き抜け、砂埃で稲荷神社の境内で立っているのがきつい状態になった。3時から執り行う「流鏑馬」、行うのかと半纏をまとった人に聞いた。「流鏑馬をする人が馬に乗り、風の状態を見て判断していくようです。今の所は中止ではありません」という返答だった。風が強まったのが午後1時。あと2時間は風と砂埃の中で待つことになる。帰ろうかなと思ったが、せっかくの機会だから、とにかく3時まで待つことにした。辛抱だ。  

 東京では「煙幕」という聞きなれない現象が起きていたことを夜のニュースで知った。

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 午後3時過ぎ、御神殿の前に「飾り馬」が現れ、飾り物が解かれた。ようやく「流鏑馬」が始まる。馬は以前は氏子の家からの提供だったが、今は小山市にある乗馬クラブからのレンタルだそうだ。そして、流鏑馬をする乗馬する人は氏子ではなく「馬主」だと後から聞いた。

 それでも、風の中を馬は3回走って、矢が放たれた。参道を駆け抜ける馬は迫力があった。「壱」と「弐」の的に矢はあたった。

   的が大きいというのが印象的だった。武芸としての「流鏑馬」ではないと言うことだ。東京杉並区の「井草八幡宮」での「流鏑馬」の的は直径30センチ位の非常に小さい的だったことを思い出した。

Photo_20 この篠塚神社の「流鏑馬」は武芸鍛錬としてではなく、稲作の占いをする風習から行われているのだ。

 柏村裕司著「栃木の祭り」の中の「篠塚稲荷の飾り馬」において、「矢が壱の的に当たれば早稲(わせ)が豊作、弐の的ならば中稲(なかて)、参の的ならば晩稲(おくて)が豊作といわれている。稲作地帯における稲荷社の祭りふさわしい風習」と紹介されている。これから始まる稲作にむけて、村民の豊作への願いと村落共同体の結束をはかる祭りなのかと感じた。 

Photo_21 午後から始まったお神楽。強風の中で「ヒョットコ踊り」など「優雅」に舞う。その姿は参詣者ではなく、ご神殿に向けて奉納としての舞っているとしか写らなかった。そこには観光客のためではなく、村の祭として執り行う姿勢が見えた。

 帰りはIR「思川」の駅で1時間以上、プラットホームの待合室で上り電車、高崎行きを待った。群馬方面は上り、栃木小山方面は下り電車と言っている。両毛線の上りと下りは古代の東山道の名残から決めている。家に着いたら服、ズボンや髪の毛、耳などホコリにまみれていた。

 

                                《夢野銀次》

 

 

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